鯱の会第1回定例会「リニア時代の名古屋のまちづくり」

2016.07.26

「リニア時代の名古屋のまちづくり」

会場:名古屋クレストンホテル 参加者数:104名

 今年度第一回定例会が「リニア時代の名古屋のまちづくり」をテーマに、名古屋市住宅都市局長 黒田昌義氏を講師に迎え開催されました。運営は寺西会長の肝いりで新たに組織された特別研修委員会。尾崎豊樹委員長はじめ委員会メンバーの情熱が伝わってくる会となり、参加者数は関心の高さを表し104名にのぼりました。 講師の黒田氏は旧建設省から内閣官房を経て、現在は名古屋の都市計画に深く関わっておられるまちづくりのエキスパートであり、リニア開業に伴う名古屋の未来について熱く語っていただきました。

 まず、東京⇔名古屋間を40分で結ぶリニア最大の特徴をふまえ、名古屋駅が人にやさしいスーパーターミナルになることが大事といいます。名駅=迷駅にならないために、わかりやすい乗換空間の形成が不可欠で、駅前広場周辺の再整備やゆとりある地下歩行者空間の創造、陸・海・空(駅・港・空港)と高速道路との結節強化が必要です。ささしま地区など周辺のまちづくりを発展させ、同時に防災性が高くエネルギー効率の高いまちづくりを形成することも大事です。さらに名古屋全体で捉えると、名駅の一人勝ちではなく、栄地区の再整備と活性化も重要なカギとなります。久屋大通公園の再生や民間企業の力を合わせたビルの再開発、レゴランド開業に伴う名古屋港までの交通網整備、中川運河再生計画など、賑やかで潤いのある街の活性化に向けたプロジェクトが今後注目を集めそうです。


 最後に、リニア時代の名古屋の都市戦略にふれ、大阪延伸の前倒しを見越し、名古屋が「リニアキャピタル」としての固有性を発揮し、経済を牽引する価値を創造し、交流を増大させていく「スーパー・メガリージョン」としての機能をもつことが重要となりそうです。東京から移転する企業が増え、リニア駅ができる南信州との交流など、時間短縮による新たなつながりや可能性も秘めています。 鯱の会が今後も名古屋の活性化や次世代につなげるために何が必要かを考え活動していく上で、その第一歩となる会となりました。


(記事投稿:木村嘉宏 写真:東山信雄)

新入会員オリエンテーション

  • 定例会開催定例会開催
  • 司会進行伊藤博章氏伊藤博章特別研修委員司会進行
  • 寺西会長挨拶寺西会長挨拶
  • 講師:黒田氏講師:名古屋市住宅都市局長 黒田昌義氏
  • 定例会風景定例会風景